Milano salone 招待状

先月のことですが、イタリアで開催されたミラノサローネへの招待状を作らせてもらいました。
クライアントはイギリスのWallpaper社。ミラノサローネは世界最大級の家具・インテリアの見本市です。その見本市に出店したWallpaperのコンセプトは世界のハンドメイドセレクト。量産されるデザイン家具ではなく、職人が手作りする温かみのあるプロダクツです。
そのイベントブースの招待状に私たちが越前で作っている手透き和紙のカードが使われました。印刷はイギリスのレタープレス工房で一枚ずつ印刷。そしてその招待状を入れる封筒は表裏が違う色のホワイトクラフト紙を使い、封筒の周りには手作業で色づけ、ハンドボーダード加工を施しました。ハンドメイドというコンセプトにふさわしい招待状ができたと思います。


思えば100年以上前、産業革命以降に広がった量産体制を否定してアーツ・アンド・クラフト運動がおこりました。芸術性ある手仕事を生活に取り入れようという運動です。100年以上たった今も、根本的にそれと変わらない考えを持つ人は世界に多く、歴史は繰り返すのだなと感じています。
100年前の運動は瞬く間に世界に広がりましたが、一つの問題点として、やはり工業製品よりも高価であったため、結局それら職人によって作られた商品は一部の富裕層でしか使われず、一般社会には広がらなかったといわれています。難しい問題は今も昔も変わりません。

今回、お手伝いさせてもらった仕事はイギリスの雑誌やWEBサイトで紹介され評判も良いです。いかにして一般社会に広げることができるか。わたしたちも考えなくてはいけませんね。


封筒会社と手紙のスタイル
杉浦正樹
P.S. write soon!