越前和紙の里 

先日、新しい紙の打ち合せを兼ねて福井県武生(たけふ)の和紙メーカーにお邪魔しました。紙の産地にはよく訪れますが、ここは越前和紙と呼ばれ今でも60社ほどが和紙を漉いている日本で一番の大きな産地です。今回訪れたのは3社。100年以上続く手漉き工房と機械で紙を抄造している会社2社です。
すでに依頼していた和紙も良い感じで仕上がっていましたし、今回の打ち合せの紙も設計がほぼ固まりテスト漉きが今週から始まっています。なかなか良い商品ができそうです。

しかし和紙はスローですね〜。原材料の仕込みから紙を漉いて仕上げるまで、大量生産される洋紙や封筒生産機の猛スピードに比べると、何とも言えないゆっくりとしたスピードで流れていくのです。そこが私とっては和紙の魅力であり好きなところであるわけですが、
和紙の生産現場にいるとそのスローな工程が和紙独特の風合い柔らかい質感を作り出すのだと実感できてまた良いのです。
海外では手紙のことを e-mail に対して snail mail と言います。「かたつむり」のようにゆっくり届く郵便という意味です。ということは手紙と和紙はどちらも「ゆっくり」つながりで相性がよいということになりますので、スローな手紙には本来和紙を使うのがベストマッチなのかもしれません。
和紙を見るたびに「SLOW FOOD」ならぬ「SLOW PAPER」だなぁと思うのですが、そんな言い方はしないかもしれませんが、人に対する優しさや安心感はあると思います。近い将来、希望者募っての和紙ツアーも実現させます。



帰りに大瀧神社を参拝しました。ここは日本唯一の「紙」を奉った神社です。
良い紙が漉けますように!



封筒会社と手紙のスタイル
杉浦正樹
P.S. 7周年へのコメントありがとうございました!