ハーモ美術館

素朴派の絵からものづくりの原点を改めて感じてきました。


カミーユ・ボンボア

アンドレ・ボーシャン

グランマ・モーゼス
訪れたのは諏訪湖畔にあるハーモ美術館。ここは日本でも珍しい素朴派の作品を集めた美術館です。素朴派とは、19世紀から20世紀にかけて生まれた、アンリ・ルソーをはじめとする、主に専門的な絵画教育を受けていないアーティストたちの絵画を指します。それだけにどこか素朴で温かみを感じるのが特徴です。
アカデミックな理論や正統な技法で生み出されたものではなく、趣味の延長で独学で学び、自由に、感性豊かに描かれています。「見えるように描く」のではなく「見たままに描く」、「上手に」ではなく「素直に」というのが共通しているところだと思います。また多くのアーティストは壮年期以降に絵を描き始めているのも興味深いところです。
私は、このなんともいえない緩やかな、それでいて丁寧な技法で生み出された作品に癒されます。難しいことを考えることなくリラックスできるのです。自然や人との距離が近い絵画というイメージでしょうか。絵は見る人によって価値観が違う以上甲乙つけることはできません。しかしものを作る人が自然な向き合い方をして出来上がった作品は、見る人にとっても心地よく受け入れられるというのは正しいような気がします。

ハーモ美術館は小さな美術館ですがロケーションは最高です。
諏訪湖畔の緑に囲まれ遠くには富士山も眺望できます。
全国からのリピーターも多いと聞きました。
興味のある方にはおすすめです。



封筒会社と手紙のスタイル
杉浦正樹