京都美術館

先日、京都にある日本の古美術を収蔵している細見美術館を訪れました。
いくつかの作品を館長に説明していただき日本美の繊細さや楽しみ方を教えてもらいました。
また同じ時期に開催されている「ギッター・コレクション」(京都文化博物館)にも足を運び、ギッター氏は特に江戸時代の日本絵画のコレクターとして有名ですが、ここでも解説を聴きながら日本の美が海外に与えた影響を実感してきました。

墨一色で描かれた掛け軸や襖絵が特に印象的です。
余白の使い方、墨の滲ませ方、そこにある書の意味、そして遊び心。味わう楽しさとその深さはシンプル故にあるなと感じます。シンプルだけどそこには揺るぎない哲学のようなものがある。なので何度見ても飽きない。むしろ見るたびに新しい何かを発見する。生活空間に調和する襖絵や掛け軸にはそういった芸術性が求められていたのだと思います。海外で評価されている日本製品にも同じようなところがあるのではないでしょうか。例えば無印良品ユニクロもシンプルだけど細部にわたって配慮がなされている。機能性や見た目のデザインだけではなく、そういったところにも消費者は共感するのだと思うのです。見た目は違えど私には日本の古美術と共通するものを感じます。
日本製品の本来の価値、豊かさとはこういったところにあるのかもしれませんね。



封筒会社と手紙のスタイル
杉浦正樹